●千葉県伝統的工芸品指定 ●(一社)日本人形協会認定・節句人形工芸士
衽は、「つける」という意味があり、装束の左右前身頃に付けた襟から裾までの半巾の布の事をいいます。平安時代に和様化が進み、この頃より男性の朝服は束帯、女性は平安時代中期以降、形式が著しく変わり、裳唐衣、または女房の装束(十二単衣)と呼ばれるようになりました。衽付は、女雛の裾の部分を、実際の装束の縫製に近く、衽、前身頃、後見頃の6枚に仕立てたものを指します。衽付の女雛は、手間のかかった高級な商品として扱われています。
「束帯」は公家男性の正装で、宮廷の儀式の際に天皇をはじめ、臣下が着用する衣裳です。文官仕様の「縫腋の袍」と武官用の「闕腋の袍」とがあります。文官・武官の仕様の違いは、文官には腋が縫い合わされており、裾に、欄という足さばきを良くするための横裂が付いています。
裾に見える重襴(かさねうちぎ)は五枚重ねです。さらに衽(おくみ)付ですので型くずれがなく、大変美しい仕立てです。
十二単(じゅうにひとえ)は袖の重なりが命です。均等な重なり、美しいカーブを描く丁寧な着付けです。
(三位以上の文官が着用した正装)縫腋袍は前身と後身との間の腋下を縫い合わせた着物です。
革の帯の表面に玉、石などの飾りの座を揃えてめぐらせてあります。
宮中に出入りの時、身分証明の割符を入れる革製の入れ物です。
頭は高級手作りの本頭です。
手・足は木彫り、胡粉で仕上げてありますので、長い年月美しさを保ちます。